ブログは自己顕示欲

鬱になった妻(スーザン)の記録をしていくブログです。

用法・用量を守ってご利用ください

 このブログではうつ病に関わる記録をしています。
 その為、うつ病の患者さんなどにとっては、読み難い内容があります。
 少しでも内容を読んで不安に感じた場合には、当ブログの閲覧・購読はお控えください。
 また、精神面に不安を感じた場合には、専門の医療機関にご相談ください。
 よろしくお願い申し上げます。

7月18日 一人の帰京

 十六日の夜にはどうなることかと思いましたが、その後は何事もなく、実家でのんびりとした時間を過ごしました。しばらく働きづめで、大きな休みをとっていなかった私にとっても良い休息となりました。
 十七日から仕事があります。スーザンを残し、私だけ帰ることにします。スーザンは前夜から少し寂しそう。もちろん私も寂しいです。スーザンと一緒に暮らして以来、一人でいるということが極端に少なく、スーザンがいない暮らしが考えられないのです。
 とはいえ、実家でもうしばらくのんびりとした時間を過ごすのはスーザンのためでもあります。どうしても私と一緒にいてしまうと、家事などをしてしまいます。何かをやろうとしてしまいます。その点、実家の場合にはお母さんがいらっしゃるので、家事を何もかもする必要がありません。お母さんも病状に理解がありますし、その点は協力的です。
 甘えられるだけ甘えたらいい。スーザンにはそう言ってあります。
 駅まで送ってもらい、私は東京へと一人向かいます。新幹線に乗り、品川駅へ。何回かの乗り換えの後、自宅へ。
 しばらくは一人の生活になります。自分以外誰もいない空間。やはり寂しい。もう一度自分に言い聞かせます。これはスーザンのため。これからのため。また一緒に暮らすため。元気になって、また帰っておいで、スーザン。

7月16日 価値ある平穏

 怒涛のような一夜が明けました。お母さんと私、そしてスーザンで病院に向かいます。昨日、救急のお医者さんから言われた脳神経外科の検診を受けるためです。
 実家から車で十五分ほど走った隣町に病院はあります。比較的新しく、そして大きく、多くの患者さんがいらっしゃいます。
 三十分、一時間と今日もひたすら病院で待ちます。その結果、特に異常はありませんでした。とりあえず一安心。昨晩の昏倒は誤飲が原因ということが明確になりました。病気由来の症状ではなかったのでホッとします。
 スーザンはすっかり疲れてしまったようで、病院から帰ると眠ってしまいました。私はお母さんと買い物に出かけます。丁度お母さんが離れのエアコンと、ノートパソコンを買おうとしていたので、家電量販店に寄り、機種選びなどを手伝います。幸いにして予算の範囲内の、希望通りのものが双方見つかりましたので購入します。私は比較的家電などに詳しいと思われているようで、実家に帰省するたびに頼りにされています。
 とはいえ、こうして頼りにされることはありがたいことです。私は両親とはいろいろあって、絶縁状態になっておりますので、家族といえばスーザンであり、実家に住まうご両親と、東京で暮らす妹さんと、大阪にいる祖母になります。苗字も結婚してスーザンの姓にしています。特に養子縁組などはしておりませんが、名実ともにスーザン家の一員です。
 家族の一員として頼られることは実にうれしく思います。それだけに、スーザンのことをなんとかしてあげたい。親御さんがスーザンを愛していると同じかそれ以上に私も愛したい。親御さんにスーザンの笑顔をもっともっと見せてあげたい。そういう気持ちです。
 買い物を終えて帰るとスーザンはまだ寝ています。寝顔がとても愛おしい。
 夜、お父さんが帰宅し、改めての一家団欒です。
 「ゆっくり食べるんだよ」
 スーザンが恥ずかしそうに頷きます。みんなで夕食を食べる。とても平凡な光景ですが、急変した昨日のことを考えると、平凡な時が過ごせるだけでありがたいのかなと思います。いつ何が起きるかわからない。それが人生。であるならば、少しでも平穏な時間を過ごしたいし、その平穏を何としても守りたい。そう思ってなりません。

7月15日 急変

 ホテルで朝食をとり、チェックアウト。梅田に戻り阪急に乗り、スーザンの母方の祖母の元へ。老人ホームで暮らしているのです。スーザンの実家は滋賀県なのですが、いつも初日に大阪まで行き、祖母の元を訪ねています。その後で実家に行くのがパターンになっています。
 祖母は相変わらず元気そう。祖母にあらかじめ現像しておいた写真を渡します。最近はiPhoneなどで撮った写真をすぐにプリントできるので、大変便利です。私とスーザンと、そしてスーザンの妹と。写っている写真をひと通り渡します。
 スーザンは一時期、親元を離れて祖母と一緒に暮らしていた時期があったため、祖母が大好きです。また、祖母もスーザンのことをかわいがってくれています。部屋のテレビのところに、以前渡してあったスーザンの写真が飾られていました。今日渡した写真もそうしてくれるでしょう。
 一年にそう何度も来れるわけではありませんが、元気でいてくれるうちは会いに来続けたい。そういう大切な祖母です。
 そして新快速に乗り、いよいよ実家へ。駅につくとお母さんが迎えに来てくれています。病状のことなどは以前からお伝えしていましたので、お母さんもとても心配していました。娘さんの顔を見てさぞかし安心されたかと思います。
 夜、仕事からお父さんも戻り、つかの間の団欒です。スーザンと妹。娘二人が上京しているので、家には夫婦二人。娘が帰ってきての食卓はさぞかし楽しいのでしょう。お父さんもビールが進みます。
 しかしその平和な状況が一変します。
 「うっ」
 急にスーザンが倒れこみます。のどに何か詰まらせたようです。慌てて駆け寄り、とりあえず口の中に指を入れます。窒息が怖いからです。苦しいのでしょう。無意識にスーザンは噛み締めます。咄嗟に入れた私の指が噛みちぎられそうです。
 スーザンの顔色がみるみる青ざめていきます。酸素が行き渡っていないのでしょう。危険な状態です。
 お父さんに救急車を頼み、私とお母さんは背中を叩くなどするとともに、気道の確保につとめます。しばらくして顔色は戻り、呼吸も確認できたので一安心。最悪の事態は防げたようです。
 見ると前歯が一本落ちています。スーザンの前歯です。倒れこんだ時に何かにぶつけ、その衝撃で折れたのでしょう。
 しばらくしてお父さんが戻り、救急隊員の方が家に入ってきました。ご両親には搬送先の病院が決まったら連絡してお迎えに来てもらうことにし、私が救急車で同行することにします。
 スーザンはまだ何が起きたかわかりかねている様子です。倒れた記憶、呼吸困難になった記憶、歯が折れた記憶。すべてない状態。そして救急車が来ている。自分が担架に乗っている。しかも前歯もない。そういった状況に少なからずショックを受けているようです。
 手をとり、足をさすり、スーザンに声をかけます。
 「大丈夫だからね」「心配いらないからね」
 思えば5ヶ月前、同じように救急車で搬送されました。
 「ごめんね」
 スーザンは詫びます。病院までの道のりがとても遠く感じられます。
 とはいえ、状況は前回と違い、とても明確でした。ものを詰まらせたことによる窒息。あとは他の要因があるかどうか。
 診察を先生にお任せして、待合室へ。ご両親に電話し、搬送先を伝えます。三十分ほどでご両親が到着します。
 さらに三十分、そして一時間。そのくらい待ったでしょうか。先生に呼ばれて中に入ります。現状には問題はないこと。てんかんなどの脳神経外科の領域の確認が必要と思われるので、明日検査を受けて欲しいことを伝えられます。
 スーザンは何か照れくさそうにしていました。気持ちが落ち着いてきたのでしょう。柔和な表情に戻っています。
 手を握り、ご両親のところに戻り、車で実家に戻ります。とりあえず何事もなかったことがすべて。倒れて顔が青ざめていったときは最悪の事態も覚悟しましたが、まずは何もなくて良かった。私にとってスーザンがすべて。スーザンが生きていればそれで良いのです。生きていれば。

7月14日 大阪巡り

 久々の帰省ということもあり、スーザンは寝れないようです。出発するのは14日の月曜日。朝、品川駅から新幹線に乗って大阪に向かう予定なのですが、その前夜、どうも眠れません。
 本当は昼前くらいの出発を予定していましたが、どうせ眠れないならと、早めに出発することにします。ゆっくり出発すると品川駅まで混雑しますし、早く出れば、それだけ後々の行動に余裕が出ますから。
 初日は大阪に宿をとってあります。スーザンのお友達が宮古島でバイトをしていて、関西空港経由で帰京するらしく、せっかくなので大阪で会う約束をしているのです。
 品川駅に着き、のぞみの指定席を買います。幸いにして並びでとれました。
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 崎陽軒のシウマイ弁当を朝食にしつつ、西へ向かいます。
 新大阪についたのは10時過ぎくらい。前夜眠っていないので、さすがにスーザンもつらそうです。梅田に移動し、マンガ喫茶で休むことにします。幸い、二人個室で休めるマンガ喫茶がありましたので、三時間ほど休みます。
 スーザンのお友達とは難波での待ち合わせです。関西空港から難波までバスで来るそうです。その子は大阪はあまり来たことがないということなので、大阪らしいところということで、梅田をまわることにしました。
 まずは梅田の阪急をまわります。地下の食品売り場は物凄い賑いでした。
HAPPY Turn's|亀田製菓株式会社
 話題になっていた高級ハッピーターンにも行列ができています。
店舗のご紹介|Bâton D'or バトンドール
 同じく話題になっている高級ポッキーも長蛇の列が。
グランカルビー | カルビー株式会社
 高級ポテトチップスに至っては、午前中で売り切れているようでいた。人気の商品がお客さんを集め、話題が話題を呼んで賑わっているようです。
 続いてスカイビルに向かいます。
お好み焼 きじ 梅田スカイビル店 - 大阪/お好み焼き [食べログ]
 大阪と言えばやはり粉物ということで、お好み焼きを食べます。f:id:morgan227:20140806200409j:plain:w400
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 「適当にこっちで焼きましょか」
 ということでお任せにしたところ、豚玉・モダン焼き・すじ焼きを作ってくれます。焼いていく手際はさすが本職。見事なものです。
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 展望台に上がると、とてもきれいな夕焼けでした。日が沈んだ直後で、なんとも言えない色合いです。
 お友達をバスターミナルそばまで送り、私とスーザンはホテルへと向かい一休み。お風呂に入り、疲れをとり、眠ります。明日は滋賀の実家へと移動。ご両親に会えるのが楽しみです。

7月8日 帰省に備えて

 先週に引き続きお医者さんです。最近のペースだと、通院は二週間に一度でいいのですが、今回は週一で来ました。来週実家に帰省しようと考えているため、お医者さんにその確認をするのと、長期帰省に備え、お薬を多めにもらうためです。
 幸いにしてスーザンの調子も良く、お医者さんも「気分転換になるから」と背中を押してくれました。体調が悪ければ延期も考えていましたが、その必要はなさそうです。
 薬局に行きお薬をもらいます。四週間分のお薬のため、とても大量です。ましてうつの薬や睡眠薬など、お薬の種類もありますから、余計に多くなります。
 家に戻り、冷蔵庫の整理をします。心配事があると、どうしても気になってしまうので、なるべく残り物がないよう、腐るものが残らないようにします。
 久々の実家。心配をかけているご両親と会うことで、ご両親に安心してもらえれば何よりです。

7月1日 遅いくらいで丁度いい

 先週、先々週とスーザンの体調がすぐれず、通院をお休みしていました。今日は久々の通院。そして退職した前任の先生に変わり、初めての診察となります。
 いつものように二人でお医者さんに行き、スーザンだけがまず診察室に入ります。しばらくしてスーザンが私を手招きして呼び、私も診察室に入ります。
 中に入るとスーザンも先生も笑顔でした。先生との相性はまずまずのようです。スーザンは人見知りなので、先生に会うまでとても心配していましたし、相性が悪かった先生も過去にいましたので、私もそれが心配でした。とりあえずは問題なさそうです。良かった。
 先生からは「ゆっくり」「マイペースで」ということを重ねて言われたようです。どうもスーザンは急いで治そうとするきらいがあるようで、それが無理につながってしまうことを心配されているようです。
 スーザンはスーザンで、自分の回復が遅いのではないか。回復が遅いのは自分が悪いのではないかと思っていたのかもしれません。あらためて先生から「今のペースで悪くないよ」と言われて、少々驚いていたようです。
 実際のところ、私から見てスーザンの回復スピードは遅くありません。丁度三ヶ月前ほどから通院をはじめたわけですし、二ヶ月前には入院するかしないかの瀬戸際にあったことを考えると、たまにお出かけをしたり、料理をしたり、ビーズ手芸やお絵かきなどができるようになっている現状は、かなり良いペースの回復だと思っています。
 真面目過ぎるから自分の回復が遅いのだと思っているんでしょう。真面目さが裏目に出ることがあると、前の先生と同じことをおっしゃっていました。何事も裏表があるもので、表が出るとは限らない。本来は良い部分が悪く作用することがあるのですね。人の精神面とは何とも複雑なものだと痛感します。