ブログは自己顕示欲

鬱になった妻(スーザン)の記録をしていくブログです。

3月25日 睡眠薬に望みを

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 これまで私は大きな病気と無縁でしたので、そもそもお医者さんにかかることがあまりなかったわけですが、中でも心療内科であるとか、精神科であるとかは特にご縁がありませんでした。こういう詐病のような状態にならなければ、かかることはなかったかもしれません。
 予約の時間にお医者さんに行きます。簡単なアンケートのようなものを記入します。
 「調子が悪くなったのはいつくらいからですか?」
 「どんな症状がありますか?」
 そういう質問の答えを書いているうちに、何だか自分が本当に調子が悪くなっている気がします。いや、実際に調子は悪くなっているのですが、スーザンの様子を見ると、自分の調子の悪さは偽りのような気がするのです。
 最近のスーザンはというと、気分の落ち込みが強く、ヒステリックな様相が強くなっています。少しでも自分の希望が通らないと、まるで自分自身を否定されたかのように思い込んでしまいます。薄氷がはった池のようと言ったら言い過ぎでしょうか。水面に氷があり、一見安定しているように見えても、少しの衝撃で割れてしまう。そういう繊細な状態です。
 アンケートには不眠である旨を記入します。妻が精神を病んでいる。妻の世話をしているうちに、自分まで眠れないことが多くなってきた。そういうストーリーにします。半分は嘘ですが、半分は事実。私はまだ、夜眠れる状態ではありますが、スーザンが寝かせてくれないことがあるので、結果的に不眠になることはあるので。
 最初に臨床心理士さんのカウンセリング。若い女性の方で、気軽に話せる感じです。続いてお医者さんと面談します。お歳は六十くらいでしょうか。如何にもベテランという感じです。
 私が話すことは同じことの繰り返しです。眠れない。この一点。不眠にいろいろな要素をあまり嘘にならない程度に肉付けしてお話しします。妻が精神を病んでいること。本当は妻も診てもらいたいこと。お医者さんにかかることを妻が拒否していること。そういう妻が心配であること。これはどれも事実です。
 お医者さんからはまずは不眠を治しましょうということで、睡眠薬を処方されました。

 正確には睡眠導入剤のソルピデムというお薬です。「眠れない時に飲みましょう」ということで、一日一錠、十日分の十錠を出されます。
 早速自宅に帰り、お医者さんでどういうやりとりをしたのか、その流れなどをスーザンに話します。自分の要望通りに心療内科に行き、お薬をもらってきたので、スーザンはだいぶ安心しているようでした。
 夜になっても「いざという時はお薬がある」「お薬があると眠れる」という安心感があるせいか、これまでよりはスーザンの状態も安定しているような気がします。
 深夜一時、そろそろ寝ようと服用を勧め、一粒飲むと、スーザンはあっという間に眠ってしまいました。これまで不眠の日が続き、スーザンも疲れていたのでしょう。眠れない体になってはいても、眠るきっかけを薬で与えれば眠れるのです。
 やっと眠れて本人も安心したのか、スーザンの寝顔には笑みが浮かんでいました。その笑みを見る私も思わず微笑んでしまういい表情でした。