ブログは自己顕示欲

鬱になった妻(スーザン)の記録をしていくブログです。

4月8日 妹との語らい

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 先生のところへは一週間に一回通うことになっています。採血を挟んで、今日は二回目の通院です。
 空腹だったので、スーザンを先にお医者さんのところに送り、自分は駅そばに寄ってから行きます。するとスーザンが私のことを待っていました。
 「先生が、ご主人もご一緒にって」
 私も診察室に入ります。スーザンと二人で先生と話します。
 「調子はどうですか?」
 近況を聞かれたスーザンは、ありのままの状態を伝えます。自殺したい衝動にかられること。睡眠薬一錠では眠れないことがあること。家にいても落ち着かないことがあり、掃除や片付けなどをしてしまうこと。などなど。
 「今はとにかく休養が必要ですね。いろいろ手を出して、かえって疲れてしまっているような気がします。あまり家でいろいろせずに、ゆっくり休みましょう」
 「真面目な性格が、今は裏目に出ているんでしょうね」
 夫も私もそう思います。妻は真面目すぎて、じっとできない。じっとしていることが悪いことだと思ってしまう。それは怠惰ではないというのに。
 「血液検査では特に異常は見られませんでした」
 となると、やはりうつ病の可能性が濃厚となってきました。
 「お薬が効き出すまでには時間がかかります。ゆっくり休んでいきましょう」
 特に大きな変化は私から見てもあまりないので、再び一週間後に予約をとり、病院を出ます。
 ゾルピデムは一日一錠から一日二錠にしてもらいました。一錠では眠れないことがあることと、お薬がなくなってしまうことの恐怖感があるためです。
 この後、スーザンの妹と会う予定だったので、いつも行く薬局ではなく、出先でお薬をもらうことにしました。しかし、どうも処方されたお薬がなく、ジェネリックであったり、溶けの悪い違うタイプのものであったりします。
 一軒目、該当のお薬が揃わない。二軒目、お薬の説明が親切ではない。ともに断り、お店を出ますが、次第にスーザンはいらいらを募らせているようでした。
 私は薬剤師さんの説明があやふやなのと、不親切な印象を受けたので、他のお店が良いかなと思いお店を出たのですが、その私の対応が怖かったというのです。強圧的に見えて、つらくなったのでしょう。
 スーザンに謝り、三軒目に向かいます。三軒目ではゾルピデムがなかったものの、先発品のマイスリーがありましたので、ひと通りは揃いました。薬剤師さんもソフトな対応で、いい感じです。
 「本当は溶けの良いタイプが良かったんです」
 と、スーザンが言うと、
 「わかります。僕もマイスリーを飲むんですが、噛んで飲んじゃいます」
 隣で聞く私としては、「薬剤師さんがそんなこと言っていいの?」という一言でしたが、あまりにざっくばらんすぎる発言に、スーザンも大笑い。先ほどのいらいらをすっかり忘れたようです。
 次来る時までに今回なかったお薬も揃えてくださるそうで、とても良い対応でした。
 「次からもここにしようね」
 スーザンも満足の様子です。
 診療を終え、お薬ももらい、スーザンの妹に会います。スーザンは妹との二人姉妹。大切な家族、大切な妹です。
 妹にもうつ病であることは知らせていました。妹も心配しており、家でリラックスできるようにと、ストレッチボールをプレゼントしてくれました。とても優しい妹です。
 お昼を食べ、少し歩き、新宿に移動し、お買い物を楽しみ、そして夕食と、結局一日がかりで遊んでしまいます。疲れ過ぎやしないかと心配でしたが、妹と語らうスーザンはとても楽しそうで、なかなか止められませんでした。
 「疲れたけど、楽しかった」
 やはり家族といると落ち着くのでしょう。私も家族ですが、妹も家族。一緒に生まれ育ったわけですから、また違うのだと思います。
 帰宅し、スーザンにお薬を飲ませて寝ます。私も一日付き合ったので、すっかり疲れてしまいました。スーザンの幸せそうな寝顔を見てから目をつぶります。安心して眠るスーザン。起きているときも、この寝顔のような気分でいられたらなあと思わずにはいられませんでした。