ブログは自己顕示欲

鬱になった妻(スーザン)の記録をしていくブログです。

4月18日 入院ありやなしや

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 今日は紹介された病院に向かう日です。診断の結果によっては、スーザンは今日から入院します。
 ただ、印象としては「入院の必要はないかな?」という方向に傾いてはいました。土日月と調子が悪く、自殺衝動などもあって危険な日が続きましたが、火曜日の診療を受けてお薬を変えたあとは安定し、危ないそぶりもなかったのです。
 これが一日、二日でしたら確信は抱けなかったのでしょうが、安定した日が火水木と三日続いています。危険だった土日月と、安定していた火水木。どっちを重く見るか。そういう判断が必要になることでしょう。
 午前十時、病院から電話が入ります。今日の診断のお話と、ベッドの空きは確保できている旨の案内です。否が応でも入院という現実が突きつけられます。
 スーザンは今日も調子が良いようです。お薬を変えて以来、よく眠れていますし、食欲も戻ってきています。だるさはありますが、それは眠気を呼ぶもので、今はひたすら眠って休養すべきスーザンにとっては、問題のないのない副作用と言えます。
 電車とタクシーを乗り継ぎ、病院に向かいます。電話口の方も丁寧でしたが、受付の方も丁寧で好感を持てます。
 少し待った後、診察室に呼ばれます。男性の若い先生で、物腰がソフトなこちらも丁寧な印象の先生です。
 ご高齢の患者さんが多いのでしょうか、話し方が噛み砕いたものです。スーザンから最近の体調、ここに至る経緯などを聞いていきます。スーザンは正直にうつ病と診断されていること、自殺未遂をしたことがあることなどを話して行きます。
 隣で聞いていて、とても普通の受け答えをしています。言いよどむこともありませんし、なにより、口調が穏やかです。
 先生からは私にもいくつか質問されました。土日月と火水木の変化について話します。土日月はアクセルが壊れ、暴走した状態だったのが、火曜日にお薬を変え、アクセルを直したことで、火水木はブレーキが効くようになり、安定した状態になったと。
 スーザンと私の話を聞き、先生は入院の必要はなさそうだという所見を得たようです。私もそう思います。一時の危険は脱した。しばらく様子見をして、それでも危険であれば改めて入院。そうでなければ、これまで通りのお医者さんに通院し、治療した方が良いのではないかと。
 「しかしそれでも入院するという選択もありますが、そうするとこれは監視状態に置くということで、精神的にも、肉体的にも、いろいろな負担がかかります。もちろんお金もかかります。今回は入院を見送ってもいいのではないでしょうか」
 今回は入院を見送ります。今までにかかったお医者さんに電話をし、入院は見送りになった旨を伝え、来週の予約をとります。
 続いてスーザンのお母さんに電話をします。誰よりも心配をしています。まずは安心させてあげたい。
 入院というくびきから放たれ、少し心理的に楽になりました。スーザンの表情もほっとしています。
 今日、先生にも言いましたが、しかしここ数日の変化は目覚ましいものです。症状を先生にきちんと話せるように、スーザンは自分の病状を客観的にとらえることができるようになりました。これはある程度、病気が過去になったということで、回復途上にあることを示唆するものです。
 また表情から厳しさがなくなりました。一時は非常に攻撃的で、何事に対しても苛立ち、その苛立った自分に対して絶望し、自分に制裁をする意味での自傷行為をしたりしていました。そういう攻撃性がなくなり、温和になり、表情にも柔らかさが戻っています。笑顔の時間が増えています。
 4月15日の通院、お薬の変更を境に、病状に明らかな変化が見えています。最悪の状態、危険な状態から抜け出し、安定的な回復が望める状態になってきています。これからも状態の浮き沈みはあることでしょうが、最悪期に戻ることはなさそうです。
 「もう、死ぬなんて言わないからね」
 本人も自覚しているようです。以前の状態は最悪であったと。そして、その状態に戻ることはないと。
 少しだけ病気が過去になりつつあります。現在進行形で病気から抜け出しつつあります。しかし油断は禁物。私はスーザンのそばで病気を過去にする時の流れを見守るのみです。